抗体の種類とアレルゲン | 漢方百草園薬局

誕生時に体内に存在しない物質は全て抗原

前項で解説しましたが、体内に抗原が入るとこれに反応して体は抗体を作ります。

そして、この抗体にはいくつかの種類があり、G、A、M、D、Eと5種類の抗体があります。

これら5種類の抗体は、いずれも免疫グロブリン(Ig)というタンパク質の中に含まれ、それぞれの持ち場で外敵から私たちの体をがっちり守っています。

以下に、5種類の抗体の働きを解説いたします。

IgA	唾液や痰、乳汁、消化液に含まれていて、抗原が体内に入る前に排除する。
IgG	主に血液中に含まれ、体内に入ってきた抗原と戦い、無毒化する。
IgM	IgGと似たような働きをし、IgGよりもっと早い段階で抗原を排除する。
IgE	抗原が体の組織に入る瞬間に、自分の組織を壊すことによって抗原を排除する。
IgD	働きはまだよくわかっていない。

これら5種類の抗体のうち、一般なアレルギーと最も関係が深いのがIgE（免疫グロブリンE）です。

普通の人に比べてアレルギーの人は、IgEを50～100倍も持っていることがわかっています。

抗原とIgE抗体が反応すると、自分の組織を壊してしまい、その結果としてヒスタミンなどの有害物質が分泌されます。

ヒスタミンなどの有害物質は全身をめぐり、有害物質に敏感なところにアレルギーの症状が現われてきます。

アレルギー性鼻炎は鼻の粘膜が敏感な人、気管支喘息は気管支が敏感な人、アトピー性皮膚炎は皮膚が敏感な人というように症状が分かれます。

抗原にはどのような種類があるのでしょうか。

基本的には、人が生まれた時に体の中に存在していなかった物質は全て抗原になると考えられます。

しかし、抗原の中にも病気を引き起こしやすいものとそうでないものもあり、病気を引き起こしやすい抗原を特に「アレルゲン」と呼んでいます。

また、アレルゲンは体内に侵入する経路によって以下の4つに分類されます。

①吸収性抗原	呼吸することによって体内に入ってくる
①吸収性抗原	ダニ、そばがら、ペットの毛、着物のホコリ、食物の残りかす、花粉類、カビ類
②食物性抗原	飲食物による
②食物性抗原	牛肉、牛乳、チーズ、バター、鶏肉、卵、マヨネーズ、お菓子類、大豆油、おから、油揚、豆腐、豚肉、小麦、アルコール、魚介類、果実
③接触性抗原	皮膚が触れることによる
③接触性抗原	薬物、化学物質、化粧品、塗料、衣類、金属、うるし
④薬物抗原	薬による
④薬物抗原	鎮痛剤、解熱剤、ホルモン剤、抗生物質