なんとなく気になっていた…むくみを解決したい!
「夕方なると足がむくむ」「お酒を飲んだ翌朝は顔がむくむ」といったことは、多くの人が経験しているでしょう。
ひと言でむくむといっても、心配のいらない生理的なものと、病気が引き起こしているものとあります。
一般的に多いのは、心配のいらない一過性のむくみですが、病気のサインではないことを確かめておくことも必要です。
日頃の予防・改善策で、ダルいむくみを解消しましょう。
むくみとは?
むくみとは、「浮腫み」と書き、「浮腫(ふしゅ)」ともいいます。
一日中座りっぱなしや立ちっぱなしの仕事をしていて、タ方、〝脚がパンパンに張り靴がきつくなった〟などという、たいていの人が経験する症状です。
むくみを簡単にいうと、体内の水分が、皮下組織などに過剰にたまった状態のことです。
体外から摂取した水分は、血液に混ざって全身を巡ります。
そして血管の外にしみ出し、全身の細胞にいきわたった後、老廃物などを取りこんで、静脈やリンパ管に戻ります。
しかしこの時、静脈内やリンパ管内の流れが悪いと、水分が戻りにくくなり、細胞組織の間にとどまってしまうのです。
こうしてむくみが起こるわけです。
一般的な脚などのむくみは、重力の影響などで心臓へ戻る血流やリンパの流れが悪くなるため、身体の下部に水分がたまってしまった状態です。
一晩寝ると元に戻る一過性のものでしたら、心配はいりません。
同様に、朝、顔がむくんでいる場合も、寝ている間に水分が身体の上部に集まってしまうために起こるものです。
活動している間に水分が分散するので、昼間にはむくみは消えます。
病気によって現われるむくみ
しかしなかには、病気によって現われるむくみもあります。
腎臓病(腎不全、急性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群など)、心不全、肝硬変、甲状腺機能低下症といった病気には、症候の1つにむくみがあります。
もし次のような状能が当てはまったら、内科、もしくはかかりつけ医に相談してください。
- 脚のむくみが一晩寝ても引かない
- まぶたのむくみが数日続いている
- 今までみられなかった部分にむくみがみられる
- むくみに食欲低下やだるさが伴う
- むくみに動悸や息切れが伴う
もし、太ったのかむくんでいるのかわからない時は、足首の少し上(すねの内側)を、指で20~30秒間押さえてみましょう。
指の跡にへこみができて、すぐに元に戻らなければ、むくみといえます(甲状腺機能低下症などの例外もある)。
病気が原因となっている場合でなければ、むくみ自体に大きな問題はありません。
むくみの予防策と解消法
とはいえ、靴がきつくなったり、脚がだるくなったり、女性にとっては見た目も気 になり、むくみは憂うつなものです。
また、むくみがあるという状態は、血流などの循環がスムーズではないわけですから、むくみを予防、解消することは、健康面で も有意義なことなのです。
予防策としては、運動・食生 活・靴、服の適正サイズなどに配慮をすること。
解消法としては、足湯・足枕・運動・マッサージなどがあります。
ここでは、むくみ解消に効果的な、マッサージの方法を紹介しましょう。
むくみ予防策
- ビタミン・ミネラルの補給
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ビタミンやミネラルは、体内の水分の代謝を助けるので、不足するとむくみやすくなります。
そのため過度のダイエットも、むくみの原因になります。
- きつい下着や服装の着用を控える
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身体を締めつけるものを着用していると、血流が悪くなり水分が循環しにくくなるため、むくみが起きやすくなります。
そのため、補正・矯正下着やサイズが小さい衣服は、むくみの原因になることがあります。
- 塩分を控える
- 塩分の摂りすぎは、浸透圧によって細胞間の水分が増えるため、むくみを起こします。
インスタント食品、ファストフードを食べることが多い人は、要注意です。
- 運動をする
-
脚の筋肉は、身体の下部にたまってきた水分を、上へ押し上げる助けをします。
そのため、筋肉が少ないと、むくみやすくなります。また運動は、むくみの解消にも有効です。
脚のむくみをとるマッサージ
このマッサージは、生理的なむくみの場合の対処法です。
病気によるむくみやリンパ浮腫の場合は、行わないでください。
皮膚に炎症がある時や、妊娠中も避けてください。
まず、足のつけ根のそけい部を、外側から内側に向けてさする。5~10回
つま先からひざにかけて、下から上へマッサージする。足の前側、側面、後ろ側、それぞれ10回程度
ひざの裏のくぼみに指4本を入れ、もみほぐす。
ひざから足のつけ根にかけて、2と同様にマッサージする。
そけい部やひざの裏にはリンパ節があるため、ここを刺激することでリンパ液の流れを促します。
マッサージの効果的なタイミング
- 風呂上がり
- 運動やストレッチをした後
リンパ浮腫は医療機関で
リンパ浮腫とは、おもにがんなどの手術時に、リンパ節が切除または破壊されるなどしたために、リンパ液の流れが滞って生じるむくみです。
多くは、左右の片側の腕や脚が太くなり、痛みはありません。
命に関わる病気ではありませんが、QOLを下げるなど、患者さんの精神的苦痛は小さくはありません。
リンパ浮腫は、マッサージや、弾性ストッキングなどの医療器具を使ってむくみを軽減しますが、いずれも、医師など資格をもった専門家が行なう、医療行為となります。
必ず、診断や治療は医療機関で受け、セルフケアも、専門家による指導の元で行なってください。
むくみの救世主-小豆のマメ知識
むくみを改善できる食べ物は?…というと、スイ力、ハトムギなどいろいろありますが、代表的な食べ物が小豆です。
小豆はビタミン・ミネラル・食物繊維だけでなく、ポリフェノールやサポニンも豊富に含んでいます。
この、豊富なサポニンと力リウム(ミネラル)の働きで、小豆には強力な利尿作用があり、むくみを改善するのです。
ただし、砂糖がたっぷり入った「あんこ」になってしまうと、むくみには逆効果です。
また小豆自体も、主成分は糖質なので、食べすぎは肥満の元です。
そこでお勧めするのは、家庭で砂糖を入れずに煮た小豆を、毎日少しずつ食べることです。
煮た小豆は、そのまま食べてもよし、小豆ご飯や小豆粥にしてもよし。
実は、煮汁にも高い利尿作用があります。一緒に食べるか、小豆茶として飲んでみてください。
小豆と水を火にかけ、あくが出たらすくい取る
やわらかくなるまでコトコト煮る
ゆで小豆は傷みやすいので、冷蔵保存でも1日までです。
食べきれなければ小分けにして冷凍に。
この時は煮汁は捨てましよう。
出典:うちの薬箱