体温計

皆さんは、自分の平熱をご存知ですか?

今、女性や子どもを中心に、体温の低い人が増えています。

けれども、たかが体温と侮ってはいけません。

低体温が身体に及ぼす影響は、決して小さくないのです。

低体温のリスク、ご存知ですか?

あなたの平熱は?

一般に理想的な体温は、36.6~37.0℃程度だといわれています。

何度以下なら低体温というはっきりした定義はありませんが、(図1)を目安に、まず自分の平熱(健康時の体温)をチェックしてみましょう。

体温は1日のなかでも変動するので、何日間か、起床直後の安静時にわきの下で測り、その平均を平熱とします。

さらに女性の場合には、生理開始後から排卵までの約2週間(低体温期)に測った体温を目安としてください。

ところで、36.6~37.0℃がなぜ適正なのかといえば、それは人間の生命活動がもっとも活発になる体温とされているからです。

具体的には、基礎代謝(生きるために最低限必要なエネルギー)が高まって、細胞の新陳代謝が活発に行われます。

また、臓器の活動を支える体内酵素が活性化し、内臓の働きが盛んになります。

さらには身体を守る免疫力が高まるなど、この体温だと健康を保つのに理想的な状態だといえるわけです。

ところが、体温が常に低い状態が続けば、これらの機能はのきなみダウン。

その結果、身体の各部に悪影響が及び、さまざまな不調(下の<低体温がもたらす身体の不調>参照)が現われてしまいます。

低体温がもたらす身体の不調

基礎代謝が低くなる ⇒ 体温が1℃下がると基礎代謝が12%ダウン!
  • 消費するエネルギー量が少ないので、太りやすくなる(肥満を招きやすい)
  • 身体のエネルギーが不足しがちで、体力が低下したり、疲れやすくなる
新陳代謝が鈍る
  • 肌荒れや乾燥を起こしやすい
  • 髪の発育が妨げられる
  • 傷が治りにくい
免疫力が低くなる ⇒ 体温が1℃下がると免疫力が37%ダウン!
  • 白血球の働きが低下して、かぜや、その他の感染症にかかりやすくなる
内臓の働きが悪くなる ⇒ 体温が1℃下がると体内酵素の働きが50%↓
  • 便秘しやすくなる
  • 胃もたれ、胃痛の原因となる
  • 尿の量が減少する
血行が悪くなる
身体の中心部の熱を保持しようとして、末梢血管を収縮するため・・・

  • 冷え性になりやすい
  • 肩こり、頭痛、腰痛などの痛みが起こりやすい
さらに・・・
体温調節を行なう脳の視床下部は、自律神経やホルモンの調節も担っているが、低体温が続くと、その悪影響が及び・・・

  •  ・自律神経失調症を起こしやすい
  •  ・生理不順、生理痛など婦人科系の不調にもつながる

低体温を招く原因、ご存知ですか?

こんなことから低体温に

もともと女性は、身体の中で熱を作りだす筋肉が男性よりも少なく、その分低体温になりやすいといえます。

また女性ホルモンの分泌が複雑に変化するため、体温調節機能の乱れにつながることも多いようです。

しかし、本来体温が高いはずの子どもにも、あるいは男性にも低体温が増えている状況からは、生活習慣の乱れにその原因があると考えられるのです。

(図2)に示した項目に、あなたは心当たりがありませんか?

やってみよう!低体温改善法

3食きちんと栄養を摂る

キチンとお食事

体温を作り出すエネルギー源の補給は、バランスよくしっかりと。

とくに朝食は、活動開始の体温アップに欠かせません。

大根、ごぼう、ねぎ、かぼちゃ、さつまいも、にんにく、豚肉など、身体を温める食材も積極的に摂りましょう。

しょうがの絞り汁と蜂蜜を紅茶に加えた「しょうが紅茶」はお勧めの1品です。

運動してポカポカになる

スクワット

体温の半分以上は、筋肉運動によって作られます。

全身の70%を占める下半身の筋肉を、効率よく動かすのがポイントです。

ウォーキングや右図のスクワットは、体温アップに効果的です。

ストレス解消にもなります。

湯ぶねにゆっくりと

ゆっくり入浴

40℃くらいのぬるめの湯に、胸の下までつかり、ゆっくりと20分ほど温まる「半身浴」がお勧め。

下半身から徐々に血流がよくなり、身体の芯までポカポカに。

また温熱の作用で自律神経が調整され、体温調節機能にもよい影響が及びます。

音楽を聴いたり、本を読むなど、好きなことをしながら、リラックス効果を高めましょう。

エアコンは控え目

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体温調節機能の乱れが、低体温の大きな原因です。

快適すぎる環境は、かえって身体によくありません。

夏は28℃、冬は18℃を目安に、暑さ寒さを自然に感じて、衰えた機能をよび起こしましょう。

冷たい飲食物は×

冷たい飲食物は×

内臓の血管には、体温を調節するシステムがないので、冷たい飲食物を摂ると、じかに体温が奪われてしまいます。

温かい飲み物、食べ物で、お腹の中からも体温をアップさせましょう。

活動的な生活を

活動的な生活

運動と平行して、生活のなかでできるだけ身体を動かすようにしましょう。

エレベーターを使わず階段を昇る、近場なら車でなく歩く、こまめに掃除をするなども、低体温解消に効果的です。