ぐっすり眠ってさわやかな朝を

不眠対策

不眠対策

現代の日本では5人に1人が睡眠に関する悩みを抱えていて、その中の10人に1人は長期にわたる不眠で悩んでいるという報告があります。

不眠症は20~30代に始まって加齢とともに増加し、男性より女性に多いといわれています。

不眠を改善するには、生活習慣や睡眠環境の見直しが有効です。

心身の健康のために、毎日の快眠を確保しましょう。

睡眠環境を見直そう

毎日、ぐっすり眠れていますか?朝はすっきり起きられていますか?

ベッドに入ってもなかなか眠りにつけないのはつらいものです。

やっと眠れても、充分な眠りが取れていないと朝起きるのが苦痛ですし、起きている間に眠気やだるさに悩まされて、集中力や判断力がなくなり、ストレスが蓄積したり情緒不安定になったりするほか、睡眠不足による免疫力の低下から、高血圧や糖尿病、血管障害を引き起こすリスクが高くなります。

睡眠に悩みを抱えている人はもとより、自分では充分な睡眠が取れていると思っている人も、睡眠環境を見直して、ぐっすり眠ってすっきり起きられる毎日を目指しましょう。

寝室の環境を整えよう

寝室は1 日のうちの1/4~1/3を過ごす場所です。

快眠のために、まずは睡眠に適した環境を整えましよう。

外部の騒音➡二重サッシや厚手のカーテンなどで防音対策
寝室の明るさ➡20~30ルクス(ぼんやり物が見える程度)

  • 夜、室内が過度に明るいと体内時計のリズムが乱れて、自然な入眠が遅れます。ただし、真っ暗にしないと眠れない人や、逆に真っ暗にすると眠れない人もいるので、自分に適した明るさに設定しましょう。
温度・湿度
室温➡夏25℃、冬15℃ 湿度➡50%(通年)

  • 睡眠時に工アコンを使用する場合、冷房は25~28℃、暖房は18~22℃が目安。
  • 冬場の暖房は乾燥の原因になるので、加湿器を併用するとよいでしょう。
インテリアなど
眠りやすい雰囲気にするため、部屋全体を落ち着いた色合い(ベージュやブラウンなど)でまとめる

  • ストレスに繋がる仕事の書類などは持ち込まないようにしましょう。
寝具
布団・枕・ベッドなど➡心身ともに安らぎを得られるものを選ぶ

  • 枕を選ぶポイント
    【高さ】
    寝ているときも、立っているときと同じ姿勢を保てる自然な高さ。横向きに寝るときは肩幅分の高さ。
    【大きさ】
    寝返りをしても頭が落ちず、肩先までしっかり支えるサイズ(横幅60cm以上、奥行40cm以上)。
    【素材】
    リラックスできるもの(個人の好みを重視)。熱がこもらず、汗を吸収・発散させる通気性のよいもの。

快眠を得るための8つのポイント

  1. 自分に必要な睡眠時間を確保しましよう。
    睡眠に必要な時間には個人差があります。日中に眠気に悩まされなければ短くても問題はありません。一般的に睡眠時間は加齢とともに短くなり、20代から50代までは平均6.5~7.5時間程度、70代を超えると6時間弱になります。
  2. 就寝前には刺激物を避けて、心身ともにリラックスしましよう。
    就寝前4時間以内の力フェイン摂取、就寝 前1時間以内の喫煙は避けましょう。就寝前の軽い読書、穏やかな音楽鑑賞、ぬるめの入浴、軽い運動など、自分に合ったリラックス方法を見つけましよう。
    「眠らなければ」と意識すると、逆に頭が冴えてきます。いったん床を出てリラックスすることで、不眠を解消できる場合もあります。
  3. 朝は太陽の光を浴びましよう。
    朝早く太陽の光を浴びることで、体内時 計がスイッチ・オンされます。体内時計のリズムを整えることで夜、速やかで快適な入眠がもたらされます。
  4. 3度の食事を規則正しく摂り、 規則的な運動習慣を身につけましよう。
    毎朝同じ時間に朝食を摂る習慣をつくることで、その1時間ほど前から消化器系の活動が活発になるようになり、目覚めも良くになります。
    タ食は軽めに摂りましょう。タンパク質の多い夜食は睡眠の妨げとなります。
    また運動習慣によって熟睡が促進されます。軽く汗ばむ程度の運動を毎日規則的に行なうと良いでしよう。
  5. 昼寝をするときは、15時より前に20~30分を目安にしましよう。
    長い昼寝やタ方以降の昼寝は、夜の睡眠に悪影響を与えます。
  6. 眠りが浅いときは意識的に遅めに寝てることで、早起きをしましよう。
    寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減ってしまいます。
  7. 睡眠薬代わりの寝酒は止めましょう。
  8. 睡眠薬を服用するときは、医師や薬剤師の指示を正しく守りましょう。
  • 睡眠中に激しいイビキや呼吸停止を繰り返したり、足がむずむず・ぴくぴくするとき、 あるいは充分に眠っても日中の眠気が強いときには、病気が隠れている場合があります。早めに専門医に相談しましょう。

羊が1匹、羊が2匹

眠れないときに羊を数えるのは有名ですね。

しかしこの方法は、日本人には効果がないといわれています。

なぜならこれは、英語で「one sheep, two sheep」と繰り返し「sheep(羊)」 と発音することで、自然にゆっくりと腹式呼吸で息を吐くことになり、昂ぶった交感神経がリラックスした副交感神経に切り替わって、心身が眠りに入りやすい状態になるという仕組みだからで、日本語で「羊」や「〇匹」と言っても 自然な複式呼吸にはなりません。

そこで仰向けに寝て手足の力を抜き、ゆっくりと数を数えてみましよう。

「ひと一」と息を吸って「つ」で吐き、「ふた一」と吸って「つ」で吐くのを、「と一、 お一」まで続け、再び「ひと一、つ」から繰り返すと、入眠効果が期待できます。