心だけでなく、身体にもその症状が・・・
ひと口にうつ病といっても、人によって様々な症状が現われます。
しかもそれは、心のみならず、身体の不調というかたちで表出することも多いのです。
とくに初期の段階では、身体症状のほうが強く自覚されるため、その裏に潜むうつ病が見逃されてしまうことがよくありますので、充分注意する必要があります。
また、これらの症状は、朝起きたときに最も強く、時間の経過とともに薄れていき、夕方になると比較的楽になるというパターンで現われます。
それがまた、「気持ちの問題」と片付けられてしまう所以であり、悪循環によって病状を悪化させてしまうことになります。
うつ病を早期に発見するためにも、下の具体的症状に心あたりがあったら、早めに病医院を受診するようにしましょう。
<うつ病の具体的症状>
<心の症状>
◇気分の低下
- 憂うつ、寂しい
◇意欲の低下
- やる気が起きない
- 集中できない
- 何も考えたくない
- 決断ができない
◇思考の異常
- 自分を責める
- 自信がもてなくなる
- 自分を卑下する
- 自殺を考える
◇不安・焦燥
- 落ち着かない
- イライラする
<身体の症状>
- ◇眠れない
- ◇朝早く目が覚める
- ◇めまい
- ◇息切れ
- ◇だるい
- ◇疲れやすい
- ◇何を食べてもおいしくない
- ◇胃のもたれ・むかつき
- ◇食欲不振
- ◇体重の減少
- ◇頭痛
- ◇微熱
- ◇肩こり
- ◇性欲が落ちる
- ◇下痢
- ◇便秘
こんな症状に心あたりがあったら、早めに病医院を受診するようにしましょう。
こんな人が、こんな時に発症しやすい
うつ病は、几帳面で責任感が強く、何ごとにも手を抜かない真面目な人が罹りやすいといわれています。
頼まれれば断ることができず、なんでも一人で抱え込むというタイプです。
こうした性格の人は、しばしば完璧主義者で、他人への気配りが細かい反面その評価を気にしすぎるため、考え方に柔軟性が乏しく、多くのストレスをためやすい傾向があるともいえます。
つまり、うつ病発症のきっかけとなるストレスにさらされることが多く、またそのダメージを受けやすいといえるのです。
ストレスとなりうる生活体験は、左の図のように様々です。
なかには、周囲から見れば喜ばしい出来事もありますが、それでさえ「一層頑張らなくては」と、精神的なプレッシャーを感じてしまうのです。
ただし、同じ状況下であっても、うつ病になるならないは個人で違ってきます。
何にストレスを感じるかは、その人の性格や生活環境によって大きく異なるからです。