妊娠40週間の胎児の発達過程

妊娠40週間の胎児の発達過程

お腹の中の胎児は、目を見張るスピードで成長しています。

その成長に重要な役割を果たしているのがホルモンです。

有害物質がこの時期に体内に入り、このホルモンの働きがかく乱されると(環境ホルモン様作用)、障害が起きたりします。

お母さんが、少しでも有害物質への暴露をさけることで、赤ちゃんへの負担が少なくなります。

第3・第4週~

授精

1個の精子が卵子の中に入って授精します。

受精卵は分裂し、着床すると、子宮との血液循環が胎盤経由で確立されます。

羊膜がつくられます。

4~8週間に、遺伝子は臓器の基本的な形をつくるよう指示します。

この過程で有害物質の影響を受けてしまうと、障害をもって生まれてくる可能性が高くなります。

第5週~

第5週~

主な器官が形成され始めます。

心臓血管系と最初の血球と原始心臓が形成され、血液の循環か始まります。

筋肉や骨になる細胞と脳と脊椎の元になる神経管がつくられます。

5~11週まで目と耳が発達します。

第6週~

消化系、腕と脚の原基、肝臓、胆のう、胃、腸、甲状腺、すい臓、肺など主な器官や構造が発達します。

アゴの元となる部分も姿を見せます。

仮の腎臓も機能し始めます。

神経管が閉じて脊柱となります。

母体にカルシウム、タンパク質、亜鉛、葉酸が不足していたり、有害物質に触れたりすると、二分脊椎などの神経管異常をもたらすことがあります。

6から10週まで目の水晶体が発達します。

第7週~

第7週~

口、鼻孔、食道が形成され始めます。

心臓の主な弁が完成します。腕と原始的な手が現われます。

ちゃんとした腎臓が仮の腎臓に代わって働き始めます。

脳が機能し始めます。

下垂体が形成されます。

脳に毛細血管が発生し、血液脳関門ができ始めます。

第8週~

脚の原基や水かきのような指が現われ、目の筋肉、外耳、上唇、咽頭、気管、気管支、腸が、成長します。

ひじ、手首、ひざ、足首など関節部が形成されます。

乳歯、口蓋、顔の筋肉ができます。

筋肉の収縮が始まり横隔膜が現われます。

心臓が4つの部屋に分かれます。

脳細胞が各分野に専門化します。

嗅覚をつかさどる嗅葉や下垂体が機能し始めます。

第9週~

第9週~

外性器、内性器(男の子は精巣、女の子は卵巣)、乳首が形成されます。

四肢および指が成長し分化します。

ひじが機能します。軟骨、結合組織、骨(10代後半まで成長し続けます)、まぶた、鼻、舌、内耳の半規管が現われます。

網膜の神経細胞が発達します。

脳波が出現し、外から触ると反応して、胎児は頭や上半身を曲げたりします。

第10週~

第10週~

全ての器官が発生し、赤ちゃんはすでに小さい人間の形になります。

外耳、味覚芽、口蓋、 女性の陰核と男性の陰嚢が発達過程で、脳の中ではすべての神経芽細胞(神経細胞のもととなるもの)が姿をあらわし、情動をつかさどる大脳辺縁系も発達し始めます。

第14週~

主な器官はそれぞれの位置に落ち着きます。

細胞は定められた場所に移動を終え、分化し、機能を果たし始めます。

外性器の発達が続きます。

神経細胞を髄鞘(ずいしょう)でつつむ作業が始まります。

大脳皮質に溝ができ始めます。

海馬が形成されます。性ホルモンが活発になります。

第14週~

第14週~26週にかけて、脳は性ホルモンを感じ取るようになります。

第14週~21週にかけて、男の子は男性ホルモンに対して反応することを学びます。

女の子の場合は周期的なホルモンの分泌パターンが確立されます。

性的指向が決定づけられます。

第18週~

男の子は陰嚢が形成されます。

まゆ毛と毛髪は生え始めます。基本的な感覚が発達し、機能し始めます。

運動機能が備わります。

第22週~

中耳、神経細胞、運動機能が発達します。

髄鞘が神経の軸索(じくさく)を覆って伝達の効率がよくなります。

神経線維の束が発達します。

男の子の場合、男性ホルモンに対する脳のメカニズムが引き続き発達し、男性的行動を身に付け、思春期になってからの男性的外見を決定づけるプログラムが組み込まれます。

女の子の場合、子宮とバギナが分かれ、女性的な性的パターンが発達します。

第26週~

第26週~

皮膚腺およびリンパ節が発生します。

6ヶ月の終わりには中枢神経系の神経細胞がほとんど形成されます。

小脳の発達が始まり、2歳前後まで続きます。

視床が発達し始めます。

第30週~

骨が急速に成長します。

睾丸が陰嚢に下降し、まぶたが開きます。

大脳皮質のシワが増えます。

大脳皮質の前頭葉および頭頂葉が、情動を左右する辺縁系とつながります。

脳の構造の急速な成長と分化と配置が続きます。

第34週~

第34週~

胎児の体も器官も大きくなり、機能も精巧になります。

第38週~

骨格を形成する準備ができます。

脳は引き続き急速に成長し、神経細胞のつながりは急増します。

誕生

誕生

誕生後も、体と脳の成長は続きます。

成人になっても、良い影響を与えたり、学習をし続けることで、 脳の細胞はつくられ続けます。