基礎体温表の8つの型

不妊症の「漢方周期療法」を行なう場合は、それぞれの”期”の体温の様子やホルモン(主に卵胞ホルモンと黄体ホルモン)の特徴によって漢方薬を使い分けていきますので、基礎体温から得られる情報はとても大切になります。

よくみられる基礎体温の型は、下記のように正常型を含めて8つの型に分類することができます。

もちろん2~3の型を合わせもった混合型の基礎体温を示す場合もあります。

8つの型に少し解説を加えてみます。

正常型

正常型

正常型は、二層性で一番妊娠しやすいタイプで、綺麗な二層性を示しています。

  • 黄体期(高温期)が12~14日間持続する
  • 卵胞期(低温期)と黄体期(高温期)の差が0.3から0.5℃ある
  • 低温から高温への移行が1~2日以内

という3つの条件が揃った理想の型です。
正常型に近い基礎体温でもなかなか妊娠できない場合は、基本的な「漢方周期療法」を行ないます。

ダラダラ型

ダラダラ型

ダラダラ型は、二層性だがゆっくり高温になるタイプで、 低温期から高温期への上がり方がダラダラしており、排卵日が分かりにくい型です。
不妊症の方に比較的多くみられます。
西洋医学では、黄体機能不全・排卵障害・高プロラクチン血症などが考えられます。

凸状型と凹状型

凸状型
凹状型

凸状型は、高温期の両側、前後が低いタイプで、凹状型は、高温期に低温期が混じるタイプです。

階段状型

階段状型

階段状型は、高温期に一段一段のぼるタイプで、いずれの型も高温期に凹凸があり、潜在的にプロラクチン(排卵を抑制するホルモン)が高い方が多く、妊娠しにくく、流産しやすい傾向があります。
また、ストレスが多く、心身が不安定な方にもよくみられます。

温期低温型と高温期短期型

温期低温型
高温期短期型

高温期低温型は、高温期の体温が低いタイプで、高温期と低温期の温度差が少なく、高温期短期型は、高温期が短いタイプで、排卵無しまたは排卵有りの2タイプがあり、いずれの型も黄体ホルモンの分泌に問題があり、妊娠しにくいと考えられます。

無排卵型

無排卵型

無排卵型は、高温期を形成しないタイプで、無排卵ですので「漢方周期療法」を行なうことが難しく、まず体質から改善する必要があります。

正常型以外は何らかの問題があるといえます。

基礎体温が全体的に低い方は、 体を温める漢方薬を主に用いる必要があり、全体的に高すぎる方は、体の不要な熱を冷ます漢方薬を主に用いる必要があります。

また、全体的に凹凸が激しい方や高温期後半に乳房の強い脹痛を感じる方は、ストレスがたまっていたりプロラクチンの値が高い場合が多くみられます。