漢方医学(中医学)からみた子宮筋腫
子宮筋腫(子宮肌瘤)は、子宮の筋細胞が大きくなる病気で、30~50歳に多く見られる良性の腫瘍です。
その発育・生長には、卵巣ホルモンが関係しているといわれています。
下腹部に脹満感や疼痛を覚えることを、「癥瘕(ちょうか)」といって、その病変の性質によって「癥」と「瘕」に分けられます。
「癥」とは有形で明確な腫瘤であり、結塊が堅く、部位が固定して移動しません。
「瘕」とは無形で明確な腫瘤ではなく、結塊が柔らかく、部位が固定せず、凝集したり分散したりして移動します。
実際の臨床においては、これらを明確に区別することはできないため、併称して「癥瘕」と呼びます。
漢方医学(中医学)では、気血津液精という基礎物質が身体の隅々まで巡っているが、 この働きに亀裂が生じると気滞・血瘀・痰湿などの病理的産物が発生すると考えています。
気滞・血瘀・痰湿などの停滞は、気血の運行を益々障害します。
その影響が子宮に及ぶと、「瘀(非生理的な汚れた血液)」が発生し、 時間の経過とともに結束して、「しこり(癥)」になります。これが子宮筋腫とされています。
ここでは、子宮筋腫について、疾患を根本から改善するタイプ別原因療法を解説いたします。
少し専門的になりますが、以下のようなタイプに分類されます。
詳しくは、漢方百草園薬局までお問い合わせ下さい。
子宮筋腫(子宮肌瘤)のタイプ別漢方療法
タイプ | 子宮筋腫の症状ほか | 代表的な漢方薬 |
---|---|---|
Aタイプ 主証型 血瘀成癥型 |
月経量が多い、月経周期が不調(周期が短い、長い、一定しない)、月経色が紫紅、大小の血塊がみられる、下腹部が脹る、下腹部の酸痛、胸悶煩躁、腰酸納欠、などの症状がよくみられる、 舌質紫黯、舌辺瘀点有り、舌苔黄白膩、脈沈渋… |
加減消瘀湯加減方、白朮、神麹、砂仁、遠志、太子参、黄連、三棱、莪朮、などを加減 宝宮泉、香蘇丸 血府逐瘀湯(=冠脈通塞丸) |
Bタイプ 兼証型 兼気血虚弱証 |
主証型の症状以外に、顔色につやがない、心身倦怠感、めまいやふらつき、動悸、息切れ、物を言うのがおっくう、顔や足がむくみやすい、などの症状がよくみられる、 舌質偏淡あるいは偏紅、舌苔白滑、脈弱… |
帰芍六君子湯合消瘀湯加減方、五霊脂、蒲黄、続断、杜仲、桑寄生、合歓皮、荊芥、釣藤鈎、などを加減 人参養栄湯、六君子湯 |
Cタイプ 兼証型 兼肝腎不足証 |
主証型の症状以外に、めまいやふらつき、腰膝の酸痛、痩せ気味、顔色黯黒、胸悶煩躁、手足胸の熱感、大便堅い、小便黄色、などの症状がよくみられる、 舌質紅裂、舌苔少、脈細弦… |
鼈甲煎丸加減方、五霊脂、蒲黄、大薊、小薊、木香、砂仁、白朮、続断、桑寄生、菟絲子、合歓皮、酸棗仁、夜交藤などを加減 海馬補腎丸 |
Dタイプ 兼証型 兼痰湿証 |
主証型の症状以外に、脾虚があると水湿の運化が悪く、痰と化し、痰が気血の?滞と結びつき発生する。帯下量が多く色が白く粘膩、痰湿が上焦や中焦に阻滞すると胸や胃脘部が悶々とする、などの症状がよくみられる、 舌質紫暗、舌苔白膩… |
開鬱二陳湯加減方、温胆湯合霊田七、平陳湯合霊田七 |