「手が氷のように冷たい」「布団に入っても足が冷えて眠れない」……。
女性の2人に1 人が悩んでいるとしいわれる「冷え性」。
これからはとくにつらい季節となります。
そこで、冷え性に打ち克ち、不快な毎日にサョナラするための冷え性改善生活術を大公開! あなたもぜひお試しあれ!
なぜ冷えるのか
身体全体では寒さを感じていないのに、手、足、腰などが部分的に冷たく感じられる。
他人は寒がっていないのに、自分だけが強く冷えを感じてしまう。
こうした身体の不調をもたらすのが、冷え性です。
冷え性は、ほとんどの場合、自律神経のバランスがくずれ、末梢血管の血行が悪くなることで起こ ります。
私たちの身体を巡る血液は、栄養分や酸素などのほかに、体内で作られた熱を隅々まで運び、体温を保つ働きをしています。
その体温が一定であるようにコントロールしているのが、自律神経なのです。
暑さや寒 さを感じたら、血管を拡張させたり 収縮させたりして血行を調節したり、身体の冷えた部分に血液を送って温めるのも、自律神経の働きです。
さまざまな原因によって、この自律神経のバランスに乱れが生じると、血液の流れをスムーズに調節できなくなってしまいます。
その結果、血行不良が起こり、熱が運ばれてこなくなる部分は、どんどん冷えていく一方。
これが、冷え性のメカニズムです。
とくに手や足は、もともと心臓から離れていて血液が届きにくいため、冷えが現われやすいのです。
冷えの原因となるもの
自律神経の働きは、過度のスト レスやホルモンバランスの乱れによって、大きな影響を受けます。
というのも、これらはすべて脳の視床下部の指令によってコントロールされているため、どこかで不調が起こると、それが他の機能にも波及してしまうからです。
とくに女性は、月経、出産、更年期などを通して女性ホルモンの分泌が複雑に変化するため、冷え性で悩む人の数も圧倒的に多くなっています。
また、生活習慣が自律神経のバランスをくずしている点も、忘れては いけません。
偏食、睡眠不足などの不規則な生活、冷暖房の効き過ぎによる外気温との差、運動不足などは、生まれながらにもっている環境適応能力を弱めてしまいます。
さらに、ビールやジュースといった冷たいものの摂り過ぎ、女性ではミニスカートなどの薄着や身体をしめつける下着、洋服、ハイヒールの着用などは、自ら冷え を招き、血行を悪くする原因をつくっているようなものです。
そのほかに、低血圧や貧血なども、血行障害が起こることで、冷え性をもたらすといわれています。
冷えにサヨナラ!
これからは、冷え性の方にはますますつらい時季。
でも、あなたの努力次第で、元気に乗り切ることができるのです。
冷え性の原因の大部分は、あなたの生活のなかにあります。
対策のポイントはズバリ、自律神経にやさしい生活と、身体を温める工夫です。
今年こそは、冷えにサヨナラするために、以下のような生活改善術を実践してみませんか。
冷えにサヨナラするための生活改善術
【睡眠】 安眠は自律神経のため
軽くて暖かい羽毛布団などは最適。
肩の部分に大きなタオルを掛けておくのも寒さ予防になる。
足先が冷える人は、あんかで布団を温めておいたり、天然素材のゆったりした靴下を履いたまま寝てもよい。
また、入浴や足浴の後、身体が温かいうちに布団に入ることも大切。
何より充分な睡眠 時間をとることが第一。
【運動】 ストレスの解消にも
運動は血行を良くし、また工ネルギーの燃焼で熱量も増えて、一石二鳥。
ウォーキング、ストレッチなどの有駿素運動を、ぜひ習慣にしたいもの。
足腰の冷える人は、図のようなスロー・スクワットもお勧め。
息を吸いながら10秒かけてしゃがみ、息を吐きながら10秒かけて立ち上がる。
10回で1セット、1日3セットが目安。
【入浴】 湯船につかる
お勧めは半身浴。
38~40℃のぬるめの湯に下半身だけつかって、汗が出てくるまで20分くらい温まる。
肩にタオルを巻けば、上半身の冷え防止に。
身体が芯から温まり、自律神経にも働いて、リラックス効果もある。
とくに足が冷える人には、就寝前の足湯が最適。
42~43Cの熱めの湯に、10分間ほど足を浸す。
【食生活】 栄養バランス+身体を温める食べ物
朝食は1 日の始まりの工ネルギー補給、必ず食べよう。
かぼちゃ、いわし、ナッツ類に含まれるビタミンEは、血行を良くす る働きがある。
また、工ネルギーの燃焼を促進するビタミンB1は、豚肉、うなぎ、ごまなどに含まれる。
これらの栄養素を積極的に摂る。
にんにく、しょうが、玉ねぎなども身体を温める効果が。
【服装】 ゆったり&吸湿性
基本は、軽くて温かく、ゆったりとしたもの。
発汗による冷えを防ぐため、手袋 は通気性のよいニツト、下着や靴下は、吸湿性の高い綿やシルク製を。
五本指の靴下も温かい。
女性は、下着の締めつけに注意。
スカートよりもパンツがよい。
外出時は、マフラーや帽子などで露出部分をガード。
靴は、 幅が広くて、つま先に余裕のあるものを。
【癒し】 明日の活力の源
ストレスは自律神経の大敵。
毎日1 時間程度、趣味や休養のためのリラックスタ イムを設ける。
そのお供に、癒し効果のあるハーブティーなどがお勧め。
なかで もシナモンティーや力モミールティーは、 緊張をゆるめ、血液の循環を良くして身体を温める効果がある。
おろしたしょうがとハチミツにお湯を加えたしょうが湯もよい。
出典:うちの薬箱