肝臓病の原因
肝臓病の原因には、主に次のような3つがあります。
ウイルス
日本で最も多い肝臓病が、ウイルス感染による肝炎です。
肝炎を起こすウイルスには、A型、B型、C型、D型、E型、G型までのタイプがあり、そのなかで日本のウイルス性肝炎の約70%がC型肝炎です。
B型とC型のウイルスに感染して肝炎になると、肝炎が慢性化して、肝硬変や肝臓ガンに進行する場合があります。
アルコール
肝臓病の原因としてアルコールのイメージも強いのですが、アルコールが原因の肝臓病は日本では実はあまり多くありません。
しかし、アルコールもその摂取量と期間によって、一般的には日本酒に換算して毎日5合以上を10年以上摂取し続けた場合、肝硬変に進むケースがあります。
体質に合わない薬
肝臓には、体にとって有害な物質を無毒化するという大切な働きがありますが、体質に合わない薬をのみ続けると、肝臓に障害をきたす場合があります。
慢性肝炎はB型とC型から
肝炎とは肝臓が炎症を起こしている状態で、ウイルスが原因で起こる肝炎をウイルス性肝炎と言い、A型、B型、C型、D型、E型、G型までのタイプがあることがわかっています。
そして、肝臓の炎症が6ヶ月以上続く状態になると「慢性肝炎」とされ、日本人が慢性肝炎となるのは、そのほとんどがB型とC型のウイルスによるものです。
A型やE型ウイルスの肝炎は、海外旅行などで感染する場合もありますが、一般的には1~2ヶ月で完治する急性肝炎です。
また、A型とB型にはワクチンがあり、海外渡航の際に必要性の高いワクチンです。
なお、日本ではD型ウイルスの感染による肝炎はほとんど見られません。
肝炎の進行
急性肝炎
肝炎ウイルスに感染すると、まずウイルスに対する免疫反応によって肝臓の細胞が急激に破壊される急性肝炎が起こります。その症状としては、全身の倦怠感や発熱、黄疸などがありますが、急性肝炎全てに起こるとは限りません。
慢性肝炎
急性肝炎でウイルスを排除できず、肝機能の異常が6ヶ月以上続く場合は慢性肝炎となり、ウイルスは肝細胞のなかで増殖していきます。
肝細胞のなかでウイルスが増殖すると、免疫反応によってウイルスを攻撃しますが、同時に肝細胞も攻撃されるため、肝細胞が壊れいきます。
しかし、肝細胞は高い再生能力があり、破壊と再生を繰り返しながら、20年や30年かけてむウイルスを撃退する場合もあります。
肝硬変
免疫反応による肝細胞の破壊に対して再生が追いつかなくなると、肝細胞が線維化して肝硬変となり、黄疸や腹水、食道静脈瘤やや脳症などの症状が現われてきます。
肝ガン
さらに、肝硬変になってしまうと「肝ガン」に進行するリスクが高くなり、肝臓のあちこちに腫瘍が多発してきます。