自律神経失調症の治療法・対処法
薬を使った治療では、例えば頭痛には鎮痛薬、不眠であれば睡眠導入剤が処方され、症状を和らげます。
精神症状が強い場合には、自律神経調整剤や抗不安薬を用いることもあります。
また、心療内科や精神科といった自律神経失調症の専門医では、薬物療法に加えて、カウンセリングや自律訓練法(一種の自己暗示をかけ、心身の緊張を解く)などで、心の安定を図る治療も行なわれます。
こうした専門的な治療と同時に、自律神経のバランスを整えるためのセルフケアも、たいへん重要になってきます。
そのポイントは、
- ストレスをためない
- 生活のリズムを整える
の2つです。
つらい症状とサヨナラするために、以下で紹介するような『生活の工夫』を、ぜひ実行してみてください。
また、ストレス過多の現代では、交感神経の働きすぎから自律神経のバランスを崩す人が多くなっています。
仕事や家事の合い間に、筋肉の緊張を解き呼吸を整えて、心身をリラックスさせましょう。
『生活の工夫』の後に記しました、心身をリラックスさせる「筋肉のリラックス術」「腹式呼吸法」も、ぜひお試しください。
自律神経失調症を改善するための『生活の工夫』
- 自分の趣味を見つけ、毎日楽しめる時間をもつ。
- 何事も100点満点を目指さず、80点を目標にする。
- グチ友達をもち、おしゃべりで発散を。
- 時にはカラオケなどで、大声を出してみよう。
- ストレッチやウォーキングなど、定期的な運動を。
- 休日も、いつもと同じ時間に起きて、朝の太陽の光を浴びよう。
- 朝食はしっかり食べて、身体を活動モードに。
- 仕事の合い間には、軽く身体を動かしてリラックス。
- 夕食は、なるべく午後8時までにすませる。
- 入浴は、ぬるめの湯に胸から下まで浸かる
半身浴で、1日の疲れを癒そう。 - そして・・・午後11時には布団に入るようにしよう。
できることから積極的に生活に取り入れて、つらい症状とサヨナラしましょう!
心身をリラックスさせる『筋肉のリラックス術』
<筋肉のリラックス術 -首->
- 首の後ろの筋肉に力を入れ、あごを上げて5~8秒間静止する。
- 頭を前に倒して、力を抜く。
- 首、肩の筋肉を伸ばす感じで、10秒間静止。
- 1~2を5回繰り返す。
<筋肉のリラックス術 -肩->
- こぶしを握り、ひじを曲げ、肩をすぼめる感じで、腕に5~8秒間、力を入れる。
こぶしは胸の前で合わせる。 - 今度は、背すじを伸ばして腕を開き、胸を張った状態で、肩に力を入れる。
そのまま5~8秒間保つ。 - 最後は全身の力を抜き、首も腕もだらんと下ろした状態で、10秒ほど休む。
- 1~3を5回繰り返す。
心身をリラックスさせる『腹式呼吸法』
<腹式呼吸法>
- 背すじを伸ばし、お腹をふくらませながら、ゆっくりと鼻から息を吸う。
- お腹から出しきる感じで、口から細く長く息を吐く。
- 1~2を10回繰り返す。
仕事や家事の合い間に、筋肉の緊張を解き、呼吸を整えて、心身をリラックスさせましょう!
こんな栄養素が自律神経失調症に効果的!
栄養バランスのとれた食事を規則正しく摂ることも、自律神経失調症の改善には欠かせません。
なかでもビタミンB群は、神経の働きを正常に保つ働きがありますが、ストレスが続くと急激に消費されてしまいます。
積極的に補給しましょう。
- 食品・・・豚肉、レバー、卵、うなぎ、マグロ、サバ、イワシ、小松菜など
また、ストレスが加わると、私たちの身体は、副腎皮質ホルモンの分泌を高めて、ストレスに対抗しようとします。
このホルモンの合成に必要なのが、ビタミンCです。
- 食品・・・ブロッコリー、赤ピーマン、いちごなど
カルシウムは、神経の興奮を抑え、疲労回復に役立つ栄養素です。
不眠解消にも効果的ですので、眠れない時は、温かい牛乳を飲むとよいでしょう。
- 食品・・・牛乳、チーズ、ヨーグルト、豆腐、小魚、ひじき、ほうれん草など
自律神経に優しいこれらの栄養素は、ぜひ意識して摂取したいものです。