初期に変形は見られない
関節リウマチは、以前は比較的ゆっくりと進行するとされていましたが、 近年になって発症から2年くらいの間に骨や軟骨の破壊が最も進むということがわかってきました。
しかし、初期には関節の腫れがあったとしても、見てわかるような変形はないことから、その腫れが関節リウマチの初期症状だとは認識されず、放置されてしまう場合が多いのです。
関節リウマチが厄介なのは、関節の変形が見てわかるようになった時には、既に病気がかなり進行してからだというところで、この時期になると関節の破壊はかなり進んでいるため、元の状態に戻すことはできません。
関節リウマチでは、関節の破壊が起こる前にいかに早く発見するかがポイントとなります。
関節リウマチの3つの初期症状
関節リウマチの初期に起こることが多い症状としては、以下の3つがあげられます。
起床時に関節がこわばる
朝起きたときに「手を開きづらい、体が動きにくい」といった症状が、15分から長いと1時間以上続き、天候の悪い日はよりひどい場合もあります。
だるさや微熱が続く
咳や鼻水、のどの痛みなどの風邪の症状がないにもかかわらず、体がだるくて37℃くらいの微熱が続く。
関節に痛みや腫れがある
この図にあるように、痛みや腫れが様々な関節に起こります。
多いのは、手首や手足の指、足首などの小さな関節から痛みや腫れが始まるケースです。
症状の出方には左右対称性という特徴があり、右半身の関節に痛みや腫れが起こると、左半身の同じ部位の関節にも痛みや腫れが起こり、熱感を伴い、水枕のような軟らかい感触があります。
さらに関節リウマチが進むと、少し動いただけで息切れがしたり、貧血を起こしたり、呼吸がしにくくなる間質性肺炎を合併する場合があります。
その他の症状として、後頭部や肘や膝などにコブのようなしこりができる「リウマトイド結節」や、目や口の中が乾くシェーグレン症候群といった症状が起こることもあります。
このような症状が見られるようになると、関節リウマチはかなり進行していますので、初期症状のうちに早期発見し早期治療を始めることが大切になります。
ひとつでも思いあたる症状があるようでしたら、まずはかかりつけの病医院で診断を受け、もし関節リウマチの疑いがあれば、リウマチ科などで専門医の診断を受ける必要があります。