C型肝炎とは
日本国内でC型肝炎ウイルスに感染している人(キャリア)は、B型肝炎に比べると多く、約100人に1~2人、150~200万人がC型肝炎ウイルスに感染していると推定されています。
主に血液を介してC型肝炎ウイルス(HCV)に感染することで肝臓に炎症が起こるのがC型肝炎ですが、C型肝炎ウイルス(HCV)が肝臓の細胞を傷つけるわけではありません。
C型肝炎ウイルス(HCV)が肝臓の細胞内で増殖し始めると、私たちの身体に備わっている免疫システムがウイルスを異物と認識し攻撃しますが、同時に健康な肝細胞自体も攻撃してしまい、肝臓に炎症が起こり、C型急性肝炎となります。
C型肝炎の発症と経過
C型肝炎ウイルス(HCV)に感染しても、その約20%の人は一過性の肝炎として、2週間から4ヶ月と幅はありますが、症状が出ないまま自然治癒します。
そして、約80%がC型急性肝炎となるのですが、「沈黙の臓器」ともいわれる肝臓は自覚症状が出にくく、特にC型肝炎の場合は症状に乏しいため全く症状が出ない人もあり、急性肝炎であることに気づかずに慢性肝炎に進行する人が約70%もいるのです。
慢性肝炎になると自然治癒することはなく、ウイルスに侵された肝臓は長期間にわたって肝細胞の破壊と再生を繰り返し、肝細胞が少しずつ線維化し硬くなっていきます。
その結果、C型慢性肝炎に進行した人の約50%が「肝硬変」にまで進行するといわれています。
また、C型急性肝炎から肝硬変になるまでの期間は、20年~25年と非常に長期間であることも特徴です。
そして、さらに肝硬変が進むと、肝不全などの様々な合併症が起こり、60%から70%の人が、5年~10年という期間を経て、肝臓ガンへと進行してしまいます。
特に、C型肝炎から肝臓ガンに進行して死亡する人は肝臓ガンかん者の約80%にものぼります。
このように、C型肝炎は、25年~35年という長い時間をかけて、慢性肝炎→肝硬変→肝臓ガンと進行していくのです。
しかも、C型肝炎は自覚症状がほとんどなく進行するため、いざ気付いた時には既にかなり進行していることも少なくありません。
また、C型肝炎ウイルスの感染者(キャリア)であることに気付いていない人が、国内に100万人以上いるともいわれています。
もちろん、C型肝炎ウイルスに感染しても肝炎を必ず発症するわけではありませんが、10人に1~2人は肝臓ガンまで進行するわけですから、感染に早く気付き必要な治療を行うことが重要になります。