A「最近、疲れやすいし、何となく食欲もないんだよなぁ」
B「それって、自律神経失調症かもしれないよ」
A「聞いたことはあるけど、どんな病気なんだい?」
B「えっ!?それはその―、えっと・・・」
名前はおなじみでも意外に詳しく理解されていないのが、自律神経失調症です。
毎日何となく不調を感じていたら、それは自律神経失調症が発するSOSかもしれません。
自律神経失調症を取りまく環境はまだまだ未整理
自律神経失調症の定義(日本心身医学会)…
種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的疾患が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの
簡単にいうと、
- 自律神経を中心とした機能障害によって、身体と心に原因不明の様々な不調が現われる。
- 様々な検査しても、臓器や器官に病的変化が認められない。
ということです。
また、自律神経失調症という呼び名は日本独自のもので、欧米にはありません。
しかし、実は日本でも、まだ正式な病名として公認されているわけではありません。
そのため、自律神経失調症のとらえ方は医師によってまちまちですし、治療方針も一定していないのが現状です。
例えば、あくまでも器官や臓腑の病変にこだわり、「慢性胃炎」、「過敏性腸症候群」など特定の病名をつけて治療にあたる医師もいますし、自律神経失調症を独立した病気と考えていない医師も多くいます。
また、自律神経失調症は原因不明の症状に診断名を与える便利な側面として機能している場合もあります。
医師の立場では、「検査で異常がない、とりあえず自律神経失調症と診断しておこう」と考えることもあります。
しかし、自律神経失調症と診断された患者の中には、神経症やうつ病が潜んでいる場合も多く、単なる「病気と健康のはざま」と片付けられないこともあります。
自律神経失調症は、「心療内科」で受診します。
心療内科は、「心身医学」の考え方に立った比較的新しい診療科です。
心身医学とは、人間を心と身体、更に社会的存在として全体的にとらえ、精神と身体の両面から病気を考えていく学問です。
一般的には精神と身体を分けて考え、更には身体面の治療を重視する傾向があります。
例えば、ストレスが原因で胃潰瘍になった人が、一般内科を受診した場合、潰瘍の治療を行ないますが、患者の心の問題まで踏み込んで診療することはまずありません。
ストレスに対するケアがなされてないので、再発を繰り返すということが起きます。
心身両面のケアを行なう必要が高まっています。
このように、まだまだ未整理な自律神経失調症について、漢方百草園薬局の取り組みや考え方を詳しく解説していきます。