男性不妊の原因

男性不妊の原因は、

  1. 造精機能障害
  2. 精路通過障害
  3. 性機能障害
  4. 精子機能障害

の4つに分類されますが、漢方薬は80~90%を占める造精機能障害に特に効果的です。

漢方薬で精子の状態を改善する(精子を増やす)には、植物由来の漢方薬だけでは効力が弱く、動物由来の漢方薬を用いる必要があります。

造精機能を高める漢方薬

イーパオ(蟻製剤)は、精子を増やすために必要な亜鉛やアミノ酸が豊富に含まれ、海精宝は高級食材でもある魚鰾(魚の浮き袋)とマカを主薬としており造精機能を高める効果が優れています。

参馬補腎丸・鹿茸大補湯・海馬補腎丸・至宝三鞭丸は鹿茸や海馬などを主薬としており、古くから強力な精力剤としても使用されています。

いずれも体質に合えば大変効果的ですが、造精機能障害以外に大きな問題がある場合は、次のように適宜漢方薬を併用していただいています。

蟻鹿茸鹿茸海馬海馬

心理的なインポテンス(ED)に効果のある漢方薬

心理的なインポテンス(ED)では、ストレスを和らげる漢方薬(抑肝散や柴胡加竜骨牡蠣湯など)を併用することによって効果を期待できます。

柴胡(さいこ)柴胡川芎抑肝散より 川芎

瘀血を改善の漢方薬

精管が通りにくい場合や海綿体の血流障害または内蔵脂肪による圧迫がある場合は、瘀血を改善する冠元顆粒や田七人参などを併用することで効果が期待できます。

田七田七人参(にんじん)人参

前立腺や精巣に良い漢方薬

前立腺や精巣に炎症や感染症がみられる場合は、竜胆瀉肝湯や五味消毒飲などを併用すると効果的です。

竜胆草竜胆草(リンドウ)kikuka竜胆瀉肝湯より 菊花

免疫異常に良い漢方薬

抗精子抗体などの免疫異常がある場合は、玉屏風散やインターパンチなどの併用を考えます。

ougi玉屏風散より 黄耆

精索静脈瘤に良い漢方薬

男性不妊の約30%にみられる精索静脈瘤(中医学では精索静脈曲張と言います。精巣につながる精索静脈に瘤ができることによって、精巣に十分な血液が届かないために、 造精機能に障害が及ぶ病気です。)がある場合は、香蘇散と桂枝茯苓丸を併用し、きついブリーフやジーパンを避けるようにします。

陳皮香蘇散より 陳皮生姜香蘇散より 生姜
茯苓茯苓keihi桂皮<シナモン>

胃腸虚弱や消化不良に良い漢方薬

胃腸虚弱や消化不良のために造精に必要な原料が不足しがちな方には、香砂六君子湯や十全大補湯を併用することで効果が上がります。

半夏霍香(かっこう)香附子(ハマスゲ)
香砂六君子湯より 半夏<はんげ>・霍香<かっこう>・香附子<ハマスゲ>
当帰芍薬川芎
十全大補湯より 当帰・芍薬・川芎<せんきゅう>

病院で用いられる西洋薬の中で、男性不妊に効果のあるものはほとんどありません。

特に造精機能を高める薬はほとんどありませんので、漢方薬が最も効果的といえる分野です。

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