更年期障害の検査

更年期障害の検査

更年期障害と思われる症状を感じたら、早めに婦人科などの医療機関を受診しましょう。

更年期障害の検査は、主に採血による血液検査が行われ、エストロゲンの主要成分であるエストラジオール(E2)の濃度を測る検査や黄体形成ホルモン(LH)を調べる検査、卵胞刺激ホルモン(FHS)を調べる検査などで調べられます。

生理周期とのタイミングでホルモンの値は変動しますが、2~3度検査することで正確に判断でき、時には別の疾患が発見されるという場合もあります。

更年期を迎えたら、自己判断や無理な我慢をせず、定期的な健康診断やかかりつけ医に相談することをおすすめします。

更年期障害の治療

更年期障害の治療法は、その症状や状況によって様々な方法が選択されます。

自分の症状をよく把握して、どのようなペースで治療したいのかを医師に伝えましょう。

ホルモン補充療法(HRT)

ホルモン補充療法(HRT)では、卵胞ホルモン(エストロゲン)の補充と黄体ホルモンを併用します。

更年期障害の原因の中心は、卵巣からのホルモン分泌が減少することで自律神経が失調するためで、特に卵胞ホルモン(エストロゲン)を補充することで更年期障害の症状は改善します。

黄体ホルモンを併用するのは、不快な出血や乳房の張りなどの症状を予防するためです。

ホルモン補充療法(HRT)には、飲み薬と貼り薬(パッチ剤)があります。

飲み薬
卵巣や子宮、乳腺などの発達を促進する女性ホルモンの卵胞ホルモンを含むプレマリンなどの錠剤と黄体ホルモンを服用する方法となります。
貼り薬は
貼り薬は、湿布薬のような貼付剤を腰やへその横に貼ると、皮膚から卵胞ホルモンが浸透し、皮膚の内側の毛細血管へ取り込まれます。

ホルモン補充療法(HRT)で補充された卵胞ホルモンは子宮にも作用するため、月経のような出血を伴いますので、以下のよう方法が行われます。

閉経後2年以上経っている人
出血を防ぐために、2~3日ごとにパッチ剤を貼りかえながら、黄体ホルモンの内服薬の服用を1日1錠継続するという方法があります。

閉経前の人・閉経後2年以内の人
パッチ剤を貼り続けながら、黄体ホルモンの内服薬(プロベラ錠)を月末の10日間限定で1日1錠服用することで、翌月の初めに月経のような少量の出血が見られます。

ホルモン補充療法(HRT)ののメリット

息切れや動悸、顔のほてりや発汗などの血管運動神経症状や精神症状が大幅に改善されます。

また、手足が冷えたり寝つきが悪いなどの症状には、軽い睡眠薬や漢方薬を併用するケースもあります。

ホルモン補充療法(HRT)のデメリット

ホルモン補充療法(HRT)のデメリットとしては、少量の出血や胸の張り、体重の増加などがあります。

ホルモン補充療法(HRT)のその他の効果

ホルモン補充療法(HRT)を行うことによって、肌のシワやたるみが改善されたり、骨粗鬆症の予防やコレステロールの上昇を抑えたり、 脳の血流を改善したり、またアルツハイマー病の発症率が低くなるという疫学調査もあります。