生活習慣について

生活習慣とは、私たちの日常的な衣・食・住、休養、喫煙、飲酒、運動、娯楽などと関連する行動や思考のパターンを指しています。

生活習慣と関わる諸要素は、次のように総括できます。

生活習慣と関わる諸要素

個体化的特徴
つまり個人差があるということ。
集団的な特徴
性別・年齢・職業・地位・民族・宗教などの違いにより差が出る。
地域的な特徴
自然環境と風土、または地域社会の環境ならびに文化などの要素からの影響と関連する。
時代的な特徴
文化・時勢と世俗、観念や意識、人生観と生活観などもわれわれの生活様式(ライフスタイル)が生活習慣に影響している。

良くない生活習慣と生活習慣病

良くない生活習慣とは、健康にとってリスクファクターが潜在しているものであり、これは生活習慣病を代表とする様々な現代的難治性疾患の重要な病因と考えられます。

例えば、喫煙や過量飲酒、過食、偏食、心身の疲労または運動不足、生活リズムの不規則、精神的ストレスの過多などは、良くない生活習慣の例としてあげられます。

良くない生活習慣の例

そして、生活習慣病とは、生活習慣の中にリスクファクターが潜在する慢性疾患の総称であり、すなわち、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症・進行と関与する疾患群」を指しています。

腫瘍、心疾患、脳血管疾患、肥満、高脂血症(脂肪異常症)、高血圧症、糖尿病、肝臓病、高尿酸血症(痛風)などは、生活習慣病の代表例です。

生活習慣病の代表例

現代人の生活習慣と生活習慣病

戦後以来の高度的経済成長に伴い、日本は物質的生活の豊かな時代に入り、ライフスタイルの欧米化も早く進んできました。

一方、西洋医学および欧米的ライフスタイルを含めた西洋文明の限界と偏りも、徐々に多くの人達に認知されるようになっています。

在来の東洋文化と中国医学を用いて現代日本人の生活習慣と生活習慣病との関連を点検すれば、現代人の生活様式には次のような問題点にまず気がつかれると思われます。

問題その1

人間と自然界との疎遠

人間と自然界との疎遠は、主に生態的な疎遠です。

例えば、高層ビルの住居環境、混雑な都市生活、ますます多く増えている人工環境、温室育成食品、化学添加剤、そして進んだ環境破壊と環境汚染などです。

人間と自然性との疎遠は、主に精神的な疎遠です。

例えば、技術化・商業化社会風潮の影響により、現代人がもともと自然な人間性・本性と疎遠しています。

栄養過剰、運動不足、夜型人間、生活リズムと体内時計の乱れ、過度な緊張感に強いられているなどがその例です。

問題その2

物質的生活と精神的生活のアンバランス

工業化・近代化と商業化社会・情報化社会の進展および繁栄に伴い、物質的な豊かさと生存競争の熾烈化、ならびに精神的な複雑化や心の荒廃現象などが現れています。

例えば、精神的ストレスの過剰と心身の過度な緊張、テクノノイローゼ、ロボット人間、過労症、自律神経失調症、神経症、心身症、薬物依存症、アルコール依存症、登校(登社)去秘拒否、自殺行為、問題社会犯罪、半健康状態などの目立ちは、この物質的生活と精神的生活のアンバランス状態を物語っていると思われるのです。