リンパ球数
ガン免疫では、主にNK細胞(ナチュラルキラー細胞)とキラーT細胞がガン細胞を攻撃し排除する働きを担っていますが、NK細胞とキラーT細胞は、B細胞も含めて「リンパ球」と呼ばれ、血液の白血球の構成要素です。
ガン免疫が正常に働くためには、リンパ球が白血球の中に30%以上を占めていることが望ましいとされており、リンパ球数の低下がガン免疫の低下の大きな原因と考えられます。
リンパ球数が低下する原因としては、個々の体質や加齢など様々ありますが、抗ガン剤や放射線などの治療によっても確実に減少させてしまいます。
リンパ球の酸化
また、リンパ球は細胞内に不飽和脂肪酸を多く含んでいるため酸化反応をしやすく、酸化されたリンパ球は正常に働けなくなります。
ですから、ガン免疫が正常に働く量のリンパ球があったとしても、酸化されたリンパ球が多いとガン免疫は低下してしまいます。
リンパ球の酸化を抑制するためには、抗酸化作用があるビタミンなどを多く摂取できる食品を積極的に食べることが必要となります。
輸血
その他にガン免疫が低下する原因としては、輸血があります。
手術時に輸血を受けると、サプレッサーT細胞という細胞が増え、キラーT細胞の活動を抑えてしまい、ガン免疫を低下させることになります。
ガン治療がガン免疫を低下させる
現在のガン治療では、手術でガン細胞を切除し、抗ガン剤や放射線によって残ったガン細胞を排除するという方法が基本となっています。
分子標的薬など抗がん剤も進化し、放射線関連の機器もピンポイントでガン細胞に放射線を集中させられるようになり、優れた治療効果をあげられるようになってきました。
しかし、それでも手術時の輸血や抗ガン剤、放射線などは全て白血球やリンパ球を減らし、ガン免疫を低下させてしまうという副作用があり、ガン治療のジレンマがそこにあるのです。