Mさんは35歳の女性で、妊娠の経験はありません。1年前から産婦人科に通院し、 タイミング法から始めてクロミッドとhMG-hCG療法で人工授精を4回行なったが、妊娠にいたらず。
漢方薬で妊娠しやすい体に体質改善したいと来店されました。
西洋医学的には決定的な原因は無いとのこと。
月経周期が27~28日と安定していることから「漢方周期療法」 を行なうことにしました。
月経量は多い方、月経の質は正常、月経色は暗紅色で大小の血塊が多い、月経痛は月経開始1日前から月経開始2日目まで中程度の下腹部痛と腰痛。
全体的に体温が低いことと冷え性がひどいことから、基礎薬として全周期に血液を増やしながら体を温める婦宝当帰膠を服用していただくことにしました。
さらに、月経期には月経血をきれいに排泄するために折衝飲と田七人参、低温期には子宮内膜を厚くして卵子の質を良くする滋陰養血湯加減方と胎盤エキス、排卵期には体温をスムーズに上げるために参茸補血丸と冠元顆粒、高温期には高温を維持して着床状態をよくするために参茸補血丸と海馬補腎丸、
などを中心にその都度体調と基礎体温を見ながら漢方薬を服用していただきました。
その後、人工授精を1回試みましたがうまく行かず。
ホルモン療法を2ヶ月休んで、体外受精に進むことに。
漢方薬はそのまま継続され、1回目の体外受精で妊娠されました。
が、胎児が順調に成育しにくい抗リン脂質抗体という病気であることがわかり、アスピリンと安胎の漢方薬(柴苓湯、鹿茸大補湯、紫蘇和気飲、双料参茸丸など)を服用することでうまく乗り越え、無事3,300gの男児を出産されました。
ご主人の精子の状況は、運動率が少し良くない程度でしたので特に何も漢方薬をおすすめしませんでした。
毎回お二人揃って来店され、ご主人の奥様への思いやりがとても微笑ましいご夫婦でした。