安全な生活環境をつくろう
食品容器やラップに気をつけて
プラスチック製品のほとんどは、熱を加えると有害物質が溶け出します。
電子レンジなどで、熱をかけるのはやめましょう。
塩素を含むプラスチックを燃やすと、ダイオキシンの原因になります。
環境中にこれ以上ダイオキシンを増やさないために、ラップは塩化ビニール(塩ビ)製や塩化ビニリデン製品を止めて、ポリエチレン製を使いましょう。
無添加のポリエチレンラップなら、電子レンジで溶けても大丈夫です。
アルミホイルやアルミ鍋は避けよう
アルミニウムがアルツハイマー病の原因ではないかと言われて久しいのですが、その疑惑は未だに灰色です。
しかし、少なくとも妊娠中は避けたほうが無難です。
食品中や水に含まれる程度なら神経質になることはありませんが、アルミ製調理器具や、「ホイル焼き」に酢やレモンを使うのを止めることで、アルミニウムの摂取は大幅に減らすことができます。
アルミ製鍋の代わりに、鉄製フライパン・ステンレスや耐熱ガラス・耐熱陶器製の鍋を使いましょう。
住まいの空気は安全ですか?
私たちが飲んだり食べたりして体内に取り込まれた物質はまず肝臓で分解代謝され、その毒性は弱められます。
ところが、肺に入った物質は直接血液に取り込まれ、解毒されることなく、体内の器官へ運ばれてしまいます。
成人は1日に15~20kgもの空気を吸います。
この室内の空気が汚染されていたら、 お腹の赤ちゃんに大きなダメージを与えかねません。
建材や塗料
建材や塗料には多種類の有害物質が含まれています。
代表的なものがホルムアルデヒドです。
合板や家具やクロス張りには欠かせない接着剤に含まれ、発がん性の他、神経系への障害作用があります。
また、蕁麻疹や気管支喘息を誘発させ、卵アレルギーをひどくさせます。
新しい家やリフォームされた家(部屋)の空気にはさまざまな揮発性物質がいっぱいです。
でも、古くなれば揮発してしまって安全になります。
これから結婚する人や引越しを考えている人は、リフォームしていない古い住まいを探すと安全です。
家を建てたい人やリフォームをしたい人は、健康住宅を手がけている建築士が書いた『健康な住まいを手に入れる本』(コモンズ)を参考にして下さい。
シロアリ駆除
シロアリ駆除はとても危険です。
深刻な健康被害を被った人が少なくありません。
有機リン系やピレスロイド系の殺虫剤が使用されていますが、 いずれも薬剤成分は散布された床下から台所や室内へと流れ込み、家全体を汚染します。
もしシロアリが発生して困ったら、天然薬剤のみで施工してくれる業者に頼みましょう。
殺虫剤と防虫剤で室内は毒ガス室に
虫類を殺す薬品は、人体にも害を及ぼします。
いかにも安全そうなCMにつられて使うと、家の中はたちまち有害物質が満ちて、デリケートな赤ちゃんはお腹の中で、悲鳴をあげることになります。
蚊に弱い人は、蚊帳をつったり、天然系の蚊取り線香を少しだけ使って、換気してから部屋に入るようにしましょう。
衣類の防虫剤も止めましょう。
タンスの中で揮発した有害物質は、家中に満ちることがわかっています。
子供だけでなく大人でも、頭痛・吐き気・皮膚炎などの中毒症状が出ます。
トイレボールにも使われているパラジクロロベンゼン(パラ○○○剤として売られている)は、精子形態異常を引き起こし、臭わない防虫剤として売られているピレスロイド系のものも、環境ホルモン作用があります。
防虫剤は使わず洋服を安全に保存する方法として、酸素をなくする防虫袋(虫バイバイ)があります。
電磁波に気をつけよう
アメリカのデクン・リー博士のよると、妊娠中に16ミリガウス以上の強い電磁波を毎日浴びていると、流産の危険性が2倍以上になり、特に10週以内の初期では6倍になります。
16ミリガウス以上の電磁波を出す家電は、電磁調理器・電子レンジ・トースター・ミキサー・電気カーペット・電気毛布・電気マッサージ器・掃除機・ヘアドライヤー・パソコンなどが考えられます。
電磁波の強さは種類によって大きく異なりますが、距離を離すほど急速に低減するので、電子レンジやオーブンレンジは、スイッチを入れたらすぐ1m以上離れることです。
ドライヤーやマッサージ器など距離を離せないものは、妊娠中は我慢しましょう。
電気カーペットは、電磁波99%カットのものが出てきていますので、新たに購入する時は、よく調べましょう。
できれば簡易測定器(約1万円)を購入して、家電を測っておくと気持ちが楽になります。
医者は環境ホルモンの影響を知らない場合が?
有害物質が胎児に与える影響について、十分認識をしている医療関係者は少数派です。
特に、環境ホルモンの影響を知らない?場合が多いので、自分で気をつけるようにしましょう。
妊娠中の薬の使用は慎重に
頭痛や風邪など軽い症状でも、市販の薬を自分の判断で服用するのは止めましょう。
医者にかかる時も、必ず妊娠中であることを告げましょう。
薬はできるだけ服用しないのが基本です。
健康管理に十分注意しましょう。
これも知っとこ!
胎盤は有害物質を通してしまう
胎盤は、母親の免疫細胞が胎児を異質なものとして認識して攻撃するのを防ぐためのものです。
免疫細胞は遮断しますが、酸素や栄養素や大半の有害物質は自由に通します。
胎盤を通って胎児に届くまでの過程で、毒性が高まってしまうこともあります。
妊娠中は、有害物質に接する機会をできるだけ減らすことが大切です。
赤ちゃん・幼児は未発達の血液脳関門
血液脳関門は、有害物質が血液系を通して脳に侵入するのを防いでいます。
ただし、この仕組みがキチンと働くようになるのは大人になってからです。
胎児・乳児・幼児は、この機能が未発達なため、母体からの血液や母乳を通して有害物質が脳内に入ってしまい、脳の発達に影響を与えます。
学習障害の原因にもなると考えられますので、有害物質が体に入らないようにすることが重要です。
医者へのかかり方
自然なお産をさせてくれる病院を選ぼう
生まれる日は、生まれる当人である赤ちゃんの都合で決めるのが一番です。
計画分娩をするための、陣痛促進剤や子宮頸管をやわらかくする薬(マイリス)は使わないように希望しましょう。
使い方によっては、母子ともに後遺症が残る危険性があります。
マイリスは副腎ステロイドの一種なので、微量のホルモンの変化に敏感な胎児への影響が心配されます。
検査や処置をキチン説明してくれて、相談ができる医者を選びましょう。
レントゲンは特に注意を
胎児がX線を浴びてしまうと、死亡や奇形の原因になります。
妊娠中はもちろん、妊娠している可能性がある場合も、レントゲンは断りましょう。
生まれてからでも遅くない
子供を守り、発達を促すための努力は早すぎることはないのですが、いつからでも気が付いた時に始めることが大切です。
子供が有害物質の影響をすでに受けてしまったとしても、それから回復して健全な発達を続けるために、少しでもよい環境を整えましょう。
何歳になっても、良い環境は与えられます。
有害物質が特に心配なのは、脳への影響です。脳の柔軟な2歳までに、脳の発達を促す刺激を与え、たっぷり愛情を注げば、生まれた後でもすこやかに回復させることができます。
土や植物や生き物と接する環境をつくるなど実体験をさせれば、脳の回路をたくさんつくれるので、スキンシップを十分に、そして愛情豊かに育ててあげましょう。