少し以前までは、C型慢性肝炎になると肝硬変から肝臓ガンへの進行が前提とされていましたが、現在では治療法が飛躍的に進化し、適切な治療を早期に行えば肝硬変や肝臓ガンへの悪化を防ぐことが可能になってきました。

C型肝炎は克服できる?!

インターフェロン療法

インターフェロンとは、ウイルスの増殖を抑えるタンパク質のことで、体内にウイルスなどの病原体が入ると、その増殖を抑える働きをします。

以前は、非常に高価な医薬品でしたが、細菌や培養細胞を使って人工的に大量生産が可能になりました。

現在では、C型肝炎などのウイルス性肝炎や悪性腫瘍などの治療にも用いられています。

また近年になって、効果の持続性に優れたペグインターフェロンが抗ウイルス薬リバビリンと併用されるようになり、治療効果が大幅に向上してきました。

また、患者さん個々の肝臓の状態やC型肝炎ウイルスの型や量などに細かく対応した治療ができるようになり、選択肢が広がっています。

なお、C型肝炎のインターフェロン治療には医療費の助成制度がありますので、詳しい制度の内容については、かかりつけ医か専門医に相談してください。

C型肝炎は飲み薬で治す時代

2014年9月に、C型肝炎の経口新薬のダクルインザ(ダクラタスビル)とスンベプラ(アスナプレビル)の2剤の組み合わせが発売され、インターフェロンが効かなかった患者でも高い効果が確認されています。

しかし、この薬は耐性変異遺伝子を持つウイルスには効き難いことや、ウイルス駆除に失敗すると多剤耐性変異を獲得するという問題を抱えており、無条件では適用できません。

その後、ソバルディ(ソホスブビル)やハーボニーといった新薬も発売され、重い副作用がなく、ほとんど100%に近い確率で治ると期待されています。