漢方医学では、まず妊娠しやすい体づくりを目指します。

それは治療として行なわれるだけでなく、日々の養生として自ら実践することも可能です。

今日から早速始められる簡単な養生法を紹介しましょう。

”冷え”を改善するには・・・

あなたは手足が冷えやすかったり、冷房の部屋に居ると体調がおかしくなりませんか。

漢方医学では、”冷え”は不妊の大きな原因と考え、実際に不妊の女性は冷え性の人が多いとも言われます。

そこで、とにかく冷やさず、できるだけ温める、これも立派な養生法です。

卵巣を温めるツボ

卵巣を温めるツボを「卵巣穴」と言います。

ちょうど卵巣が位置している場所で、下腹部の左右に一つずつあります。

卵巣穴の場所は、おへそから約9cm(指5本分)真下の場所から、左右に7cm(指4本分)離れたところです。

ここをカイロやお灸で温めましょう。

特に月経4日目から10日間は、卵胞の発育を促す目的で、毎日15分ほど温めるようにします。

基礎体温測定

もともと冷え性の人なら、温めると気持ちよく感じるはずです。

ただし、排卵が早く起こる人や、ほてりやのどの渇きがある人、あるいは低温期でも基礎体温が高い(36.7℃くらいある)人は、冷え性ではありませんから温めるのは逆効果です。

食べ物で体を温める

冷たいものや余分な水分は、体を冷やしますから、なるだけ控えるようにしましょう。

体を温める食べ物

体を温める食べ物の代表には、しょうが・にんにく・にら・ねぎ・羊肉・鶏肉などがあります。

野菜を摂る際は、生サラダよりも温野菜がおすすめです。

血流を良くするには・・・

妊娠しにくい人は、特に下半身を中心に骨盤内の血液の流れが良くないことも多いようです。

漢方医学では、このように血流が滞った状態を”瘀血(おけつ)”と呼びます。 この”瘀血”を招く大きな原因が、”冷え”やストレスなのです。

血流を良くするツボ

滞った血流を改善するツボの代表は、「血海」と「三陰交」です。

血海は、膝の皿の内側から約5cm(指3本分)上がった場所。三陰交は、足の内側のくるぶしから約7cm(指4本分)上がった場所です。

いずれも、冷えや月経痛など、女性特有の症状に効くツボです。

1日3~4回、親指でグーッと押えてみましょう。

ストレスを和らげる

ストレスを和らげる

漢方医学では、ストレスと「気」の流れは密接に関係していると考えています。

そこで、気のめぐりを良くする簡単な方法として、香りの利用をおすすめします。

ペパーミント

pepaminto

例えば、香りの強いシソ・三つ葉・クレソンなどの香味野菜、あるいはミント・ペパーミント・ローズマリーなどのハーブには、気をめぐらせる働きがありますから、料理やハーブティーに活用するのもいいでしょう。

アロマオイルにも、気をめぐらせたり・イライラや脳の興奮を鎮静させたり・情緒を安定させたり、 さまざまな効用がありますので利用してみましょう。

高温期(黄体期)は、イライラしたり落ち込んだりして情緒不安定になりやすい時期ですので、”気の養生”を心掛けましょう。